多治見「うながっぱ」誕生の真相と巨匠やなせたかしの遺産【徹底解剖】

多治見「うながっぱ」誕生の真相と巨匠やなせたかしの遺産【徹底解剖】に関する深掘り記事を速報でお届けします。最新情報を求める方は必見です。

うながっぱの原点は、日本気象史に刻まれたある激動の日に遡ります。2007年8月16日、岐阜県多治見市は当時の日本国内観測史上最高気温となる40.9度を記録しました。埼玉県熊谷市と並び「日本一暑い街」として突如全国のメディアからスポットライトを浴びることになった多治見市ですが、当初の現場に漂っていたのは歓迎ムードばかりではありませんでした。盆地特有の容赦ない熱波、熱中症リスクの急増、そして「ただ暑くて住みにくい街」というネガティブなレッテルが貼られることへの強い危機感が市当局や市民の間に渦巻いていたのです。

その逆境を打開すべく立ち上がった多治見市観光協会や関係者が白羽の矢を立てたのが、『アンパンマン』の生みの親として知られる巨匠・やなせたかし氏でした。多治見市には古くから虎渓山永保寺に伝わる河童伝説があり、さらには過酷な夏を乗り切るスタミナ食として古くから「うなぎ(鰻)」の食文化が深く根づいていました。この歴史的背景に着目した市側の熱烈な依頼を受け、やなせ氏は筆を執りました。

関係者の回想録によると、やなせ氏は「暑さで苦しんでいる子どもたちや市民を、思わずクスッと笑わせて元気にする存在をつくろう」と快諾し、うなぎのぬめり感と河童の愛嬌を融合させた唯一無二のスケッチを一気に描き上げたといいます。こうして、日本一の猛暑というピンチを最大の地域資源へと反転させる象徴として、多治見市のゆるキャラ「うながっぱ」が正式に産声を上げました。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest