海外旅行のボディバッグは安全か?後ろ掛けが狙われる理由と防犯の極意
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日本国内の感覚でボディバッグを背中側に回して街を歩く行為は、海外の繁華街において「私の貴重品をどうぞ持っていってください」と宣伝している状態に等しいと言わざるを得ません。ヨーロッパの主要観光都市や東南アジアのナイトマーケットなどで暗躍するスリ集団は、単独ではなく2〜3人以上のグループで組織的に行動します。1人が旅行者に話しかけたり、わざと地図を広げて視界を遮ったり、あるいは服にケチャップや水をかけたりして注意を前方へ引きつける間に、もう1人が背後から無音でバッグのファスナーを開け、中身を抜き取ります。
背中は人間にとって最大の死角です。満員電車や混雑した美術館、観光地の広場などでは、他人と体が接触すること自体に違和感を抱きにくくなります。スリのプロは満員状態を利用し、わずか2〜3秒の接触でメイン収納から財布やパスポートを抜き取ります。さらに近年では、ファスナーを開ける手間すら省き、人混みに紛れてバッグの底面や側面をカミソリや小型カッターで切り裂く手口も頻発しています。背負っている本人はバッグの重みを感じ続けているため、異変に気づくのはカフェや売店で会計をしようとした瞬間であり、その時には犯人は群衆の中に消え去っています。
この危険性を排除するための大原則が「ボディバッグ前掛け」の徹底です。視界の範囲内にバッグ本体を収め、人混みでは自然に手を添えておく姿勢を維持するだけで、犯行の難易度は跳ね上がります。スリは「最も隙があり、最も容易に盗めるターゲット」を選定するため、前掛けをして警戒感を示している旅行者はターゲット選定の初期段階で除外される傾向にあります。