「顔が覚えられない」は脳の特性?相貌失認テストと見分け方・受診目安
「顔が覚えられない」は脳の特性?相貌失認テストと見分け方・受診目安についての真相をお届けします。
相貌失認の発症メカニズムは、大きく「先天性(発達性)」と「後天性」の2つに分類されます。
後天性相貌失認は、脳卒中(脳梗塞や脳出血)、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎などの後遺症として生じます。脳の後頭葉から側頭葉の底部に位置する「紡錘状回顔領域(FFA)」と呼ばれる顔認識ネットワークが損傷を受けることで、昨日まで識別できていた顔が突然識別できなくなります。このタイプは、MRIやCTなどの脳画像診断によって病変部位が明確に可視化されるケースが一般的です。
一方、近年注目を集めているのが先天性相貌失認です。脳に明らかな器質的損傷が見当たらないにもかかわらず、生まれつき顔認識が苦手なタイプで、全人口の約2〜2.5%(およそ50人に1人)に存在すると推計されています。遺伝的素因が関与していると考えられており、家族内に同じ傾向を持つ人が見られるケースも珍しくありません。
また、発達障害と相貌失認の関連性についても研究が進んでいます。特に自閉スペクトラム症(ASD)やADHDを抱える方の中には、視線追従の癖や情報処理特性の偏りから、顔認識の困難さを併せ持つ事例が一定割合で報告されています。