垂れ壁とは何のためにある?建築基準法の理由とリノベ撤去の落とし穴

垂れ壁とは何のためにある?建築基準法の理由とリノベ撤去の落とし穴について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。

垂れ壁が存在する最大の理由の一つが、人命を守るための法律「建築基準法」です。特に不特定多数の人が出入りする商業施設、オフィスビル、共同住宅の共用部などでは、建築基準法施行令第126条の2に基づく「排煙規定」によって、天井から50cm以上突き出た「防煙垂れ壁」の設置が義務付けられています。

火災が発生した際、高温の有毒ガスや煙は天井付近に急速に溜まる性質を持ちます。このとき、天井に50cm以上の防煙垂れ壁が設置されていれば、壁が巨大な「煙のポケット(防煙区画)」として機能し、煙が他のフロアや避難経路へ一気に流れ込むのを食い止めることができます。人々が避難するための視界と酸素を確保する貴重な数分間を稼ぐのが、この防煙垂れ壁の決定的な役割です。

木造2階建てなどの一般的な戸建て住宅では、排煙設備の設置義務が免除されるケースが多いものの、キッチン周りでは「内装制限(火気使用室の規定)」が関わってきます。火気を使用するスペースとリビングを分煙・防煙するために、あえて垂れ壁が設けられている住宅も珍しくありません。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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