日野町事件の真相と再審の行方|自白の矛盾と冤罪が叫ばれる決定的理由
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2018年7月、大津地裁(今井輝幸裁判長)は「自白調書の信用性は極めて疑わしく、犯人であることに合理的な疑いが生じた」として、戦後の強盗殺人事件としては極めて稀な再審開始決定を言い渡しました。検察側はこれを不服として即時抗告を行いましたが、2023年2月、大阪高裁(石川恭司裁判長)も大津地裁の決定を全面的に支持し、検察側の即時抗告を棄却しました。
大阪高裁の決定は、開示された捜査写真のネガフィルムや法医学鑑定の新規性を高く評価し、「警察官による誘導があった疑いを払拭できず、自白調書を事実認定の骨格とすることはできない」と踏み込んだ判断を示しました。地裁・高裁と連続して再審開始が認められたことは、司法判断として確定判決の誤りを実質的に認めたに等しい重みを持ちます。
しかし、大阪高等検察庁はこの高裁判断にも納得せず、最高裁判所に「特別抗告」を申し立てました。現在も最高裁において審理が続いています。法曹関係者やメディアからは、「明白な新証拠によって二度の司法判断が下されたにもかかわらず、検察が組織の面子を守るために抗告を重ね、裁判のやり直しを不当に引き延ばしている」という批判の声が強く上がっています。日本の刑事訴訟法には再審開始決定に対する検察側の不服申し立て(抗告)を制限する規定がないため、審理の長期化が構造的に繰り返されているのです。