藤原基央の愛用ギター徹底解剖!黄色いレスポールの秘密と機材の変遷
藤原基央の愛用ギター徹底解剖!黄色いレスポールの秘密と機材の変遷の概要と注目ポイントを徹底的にカバーしました。
藤原基央というソングライターを語るうえで、Gibson Les Paul Special(TV Yellow)の存在を外すことはできません。ライブの幕が上がり、スポットライトを浴びて現れるその鮮やかなヴィンテージ・イエローのボディは、BUMP OF CHICKENというバンドの生命線そのものを象徴しています。
このギターは、1957年製のヴィンテージモデルです。一般的なレスポールがメイプルトップ&マホガニーバックという重厚な構造を持つのに対し、レスポール・スペシャルはフラットな単板マホガニーボディを採用しています。最大の特徴は、シングルコイルピックアップの名機「P-90」が2基搭載されている点にあります。ハムバッカーのような太い中音域を持ちながらも、フェンダー系シングルコイルのような明瞭なアタック感を兼ね備えており、藤原が紡ぐコードの一音一音が潰れず、言葉を乗せるキャンバスとして完璧に機能します。
では、なぜ「黄色(TVイエロー)」だったのか。歴史的には、1950年代当時の白黒テレビ放送において、純白のギターは画面が白飛びしてしまい、サンバーストは輪郭が潰れてしまうため、白黒画面でもっとも美しく映える階調として開発されたのが「TVイエロー」でした。しかし、藤原自身がこの個体を選んだ理由は、そうした歴史的背景よりも「出会った瞬間の直感と鳴りの速さ」にありました。過去の音楽専門誌の機材インタビューにおいて、藤原は手に入れた当時の印象を「アンプを通さずに生音を弾いた時点で、ボディ全体が信じられないほど鳴っていた」と振り返っています。
バンドアンサンブルの観点からも、この選択は必然でした。リードギタリストである増川弘明が主にハムバッカー搭載のレスポール・スタンダードを使用し、太く伸びやかな歪みで空間を埋めるのに対し、フロントマンである藤原が同じハムバッカーを使ってしまうと、中低域が飽和してボーカルの抜けを阻害してしまいます。P-90のエッジが立った歯切れの良いクランチサウンドは、増川の重厚なトーンと完璧に棲み分けられ、4本の楽器が緻密に絡み合うBUMP OF CHICKENサウンドの基礎となったのです。