ピアノのペダル記号を完全解説!踏み替えと濁らない弾き方の極意
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ピアノに備え付けられた3本のペダルは、それぞれ全く異なるメカニズムと音楽的意図を持っています。足元の機能を物理レベルから把握しておくことは、表現の幅を広げる上で欠かせません。
ダンパーペダルの効果と使い方は、ピアノ内部のダンパー(弦の振動を止めているフェルト材)を一斉に弦から引き離すことにあります。これにより、鍵盤から指を離しても打鍵した音が鳴り続けるだけでなく、打鍵していない周囲の弦までが空気振動によって共鳴し、ピアノ全体がひとつの大きな響きの空間を作り出します。
一方、左側に位置するソフトペダルを踏む際に楽譜上に記される指示が「una corda(ウナコルダ)」です。イタリア語で「1本の弦」を意味し、これを解除して元の状態に戻す指示が「tre corde(トレコルデ/3本の弦)」です。ウナコルダとトレコルデの違いは、単なる音量の大小にとどまりません。グランドピアノでは、ウナコルダを踏むと鍵盤と内部のアクション全体がわずかに右側へスライドします。通常は1音につき3本の弦を叩いているハンマーが2本の弦しか叩かなくなり、さらに普段使われていない柔らかいフェルト部分が弦に当たるため、音量が下がるだけでなく、幻想的でくぐもった、霧がかかったような音色の変化が生まれます。
中央に位置するソステヌートペダルの役割は、さらに特殊です。鍵盤を押した状態でこの中央ペダルを踏むと、「その瞬間に押していた鍵盤のダンパーだけ」が上がったままロックされます。その後、両手で別のスタッカートやアルペジオを自由に弾いても、最初にロックした特定の低音や和音だけが延々と持続します。ドビュッシーやラフマニノフなど、近代・現代の大規模な楽曲で低音を保ちながら高音部を軽やかに装飾する場面で決定的な威力を発揮します。