片耳だけの耳鳴りは危険?聴神経腫瘍の特徴と初期症状を見抜くポイント

片耳だけの耳鳴りは危険?聴神経腫瘍の特徴と初期症状を見抜くポイントの疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

聴神経腫瘍の初期診断において、最も混同されやすい疾患が「突発性難聴」です。実際、耳鼻咽喉科を最初に受診した段階で突発性難聴と診断され、ステロイド投与などの治療を受けて一時的に症状が和らいだものの、数年後にMRIを撮影して初めて腫瘍が判明したという症例は後を絶ちません。

両者を見分ける上での最大の差異は、「発症の時間軸」と「症状の進行スピード」にあります。以下の比較表にその臨床的差異をまとめました。

診断項目聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)突発性難聴加齢性難聴(老人性難聴)発症のタイミング数カ月〜数年かけて徐々に自覚「ある日突然」「朝起きたら」瞬時に発症10年以上の単位で極めて緩慢に進行障害の局在性ほぼ100%片耳のみ(左右差が顕著)片耳のみ(ごく稀に両耳)両耳同時に左右対称で進行言葉の聞き取り(語音明瞭度)純音聴力に対して極端に低下する聴力レベルの低下と概ね比例する高音域を中心に緩やかに低下めまい・平衡感覚の乱れふわふわする浮遊感、歩行時のふらつき発症直後に激しい回転性めまいを伴うことがある基本的にめまいは伴わない耳の閉塞感(耳閉感)水が入ったような感覚が慢性化難聴発症と同時に急激に生じる自覚することは少ない

日本脳神経外科学会の診療ガイドライン等でも指摘されている通り、聴神経腫瘍患者の約10〜15%は「急性発症」のような形で突発的な難聴を自覚することがあります。腫瘍の血管破綻や血流不全が引き金となるためです。そのため、「一度突発性難聴と診断され、薬で改善したから安心」と思い込むのは非常に危険です。片側の耳に異変を感じた経験があるなら、一度は専門機器による画像精査を受けておく必要があります。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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