碧南火力発電所が世界で揺れる真相|アンモニア混焼と脱炭素の現実

今注目を集めている 碧南火力発電所が世界で揺れる真相|アンモニア混焼と脱炭素の現実について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

経済産業省やJERAが主張する論理は、極めてプラグマティック(実利主義的)です。日本は周囲を海に囲まれ、欧州のように国境を越えた国際連系線で他国から電力を融通することができません。平地が少なく太陽光パネルの設置余地も限界に近づきつつある中、天候任せの再生可能エネルギーだけに依存すれば、冬場の寒波や夏の猛暑時に大規模停電(ブラックアウト)を招く危険性があります。

「現時点で確実に回り、熱量を供給できる大型タービンを維持しながら燃料だけをクリーン化する。これこそが日本の製造業を守る唯一の現実解だ」という見解は、国内の産業界において根強い支持を集めています。

一方、国際環境NGOの気候ネットワークや海外のエネルギー調査機関は、この方針に真っ向から異を唱えています。ロンドンやニューヨークに拠点を置く環境シンクタンクの担当者は、取材に対し次のように警鐘を鳴らしています。

「アンモニア混焼は、莫大な設備投資を投じながらわずかなCO2しか削減できない。サプライチェーン全体で発生するGHG(温室効果ガス)を算入すれば、環境価値はさらに目減りする。世界の資本が再エネと蓄電技術に集中する中、日本だけが石炭延命技術に固執すれば、将来的に巨額の座礁資産を抱え、日本の電力コストが世界で最も高騰することになるだろう」

国内外のメディアの論調も二極化しています。国内メディアが「日本の誇る燃焼制御技術の快挙」と報じる傍ら、欧州の経済紙は「高価な脱炭素の幻想」と手厳しい見出しを躍らせます。この認識のギャップこそが、碧南を巡るニュースが常に論争を巻き起こす根本的な要因です。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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