悪魔の増資Msワラントとは?株価暴落の仕組みと個人投資家の防衛術
悪魔の増資Msワラントとは?株価暴落の仕組みと個人投資家の防衛術の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
MSワラントの発表直後、なぜ多くの銘柄で激しい増資による株価下落が引き起こされるのでしょうか。その根本原因は、市場心理の悪化だけでなく、機関投資家の冷酷な裁定取引(アービトラージ)のメカニズムにあります。
割当を受けた証券会社や空売り機関投資家は、リスクを負って株価上昇を待つような投資は行いません。彼らが実行するのは、「市場で既存株式を空売りし、株価を押し下げたうえで、安くなった修正行使価額で新株を取得して返済する」というルーティンです。
例えば、株価が500円のときに空売りを仕掛け、売り圧力で株価が400円まで下がったとします。行使価額が前日終値の90%(360円)に修正されれば、機関投資家は360円で新株を発行させて手に入れ、それを空売りの買い戻しに充当します。差額の1株あたり140円がほぼ確定利益として手元に残る計算です。
機関投資家は新株を市場に放出し続けるため、発行済株式数が激増して株式希薄化(ダイリューション)が加速します。1株あたりの利益(EPS)や純資産(BPS)の価値が著しく毀損されるため、既存の個人投資家は資産を吸い取られる一方となり、これが「悪魔の増資」と罵られる決定的な理由です。