「なんちゅうもんを食わせてくれたんや」元ネタ解説!京極の名言と背景
「なんちゅうもんを食わせてくれたんや」元ネタ解説!京極の名言と背景にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
このエピソードは、単なる「美味しい魚を食べて感動した話」にとどまりません。山岡士郎の実父であり、生涯の宿敵となる希代の芸術家・海原雄山との深い因縁が描かれる重要局面でもあります。
当時、料亭「花咲」の料理顧問を務めていた海原雄山は、自分が選定に関わった鮎を「カス」呼ばわりした京極の前に現れます。一触即発の空気の中、山岡は雄山の目の前で、前日に京極が酷評した「養殖の鮎」と、自分が手配した「四万十川の天然鮎」を食べ比べさせました。
勝敗を分けた決定的な要素は、鮎が育った水質とエサの違いでした。
- 花咲の鮎(高級養殖・都市近郊産):脂は乗っているものの、養殖用飼料や濁った水質の匂いが身に移り、鮎本来の香気(スイカやキュウリに例えられる清流の香り)が失われていた。
- 四万十川の天然鮎:日本最後の清流と呼ばれる四万十川の澄んだ水で育ち、良質な川底の珪藻(コケ)だけを食べて成長したため、内臓(ワタ)まで爽快な芳香と清純な苦味を持っていた。
山岡の目利きと調達力を目の当たりにした海原雄山は、息子の実力を内心認めざるを得なくなり、無言のままその場を立ち去ります。この対決をきっかけに、京極万太郎は山岡の最大の理解者・後援者となり、東西新聞社の「究極のメニュー」作りを全面的に支援する盟友となりました。