魔球フォークの神様・杉下茂が遺した知られざる伝説と日本一の真実
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「フォークボールの神様」の称号は、決して偶然の産物ではない。人差し指と中指の間に深く挟み込んで無回転で落とす――その投法を日本で最初に実戦へ導入した杉下の試行錯誤は、まさに壮絶な孤独の実験だった。当時、ボールを挟んで投げる投手など誰もいない。指の股を広げるため、寝る時も指の間に木片を挟み込んでテーピングを巻き、関節を広げ続けたという逸話は、まさに執念の境地だ。
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だが、知られざる真実はその先にある。杉下自身は後年、「フォークばかり投げていたわけではない」と淡々と語っていた。実際の試合でフォークを投じたのは、1試合につきわずか数球。150キロ台後半に達していたとも推測される威力抜群の快速球と、切れ味鋭いドロップを徹底して見せ球にし、ここぞという乾坤一擲の場面でのみ「伝家の宝刀」を抜いた。打者はその存在を意識するあまり、ストレートにすら手が出なくなる。魔球の真価は、ボールの落差そのもの以上に、打者の脳裏に刻みつけた恐怖心にあったのだ。