愛猫の歯が抜けた原因は病気?受診の判断基準と治療費を徹底解説

愛猫の歯が抜けた原因は病気?受診の判断基準と治療費を徹底解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。

成猫の歯を脱落させる主犯格として、臨床現場で圧倒的多数を占めるのが「歯周病」と「破歯細胞性吸収病巣」という2つの破壊的疾患です。

日本小動物歯科研究会などの報告によると、3歳以上の成猫の約80%が何らかの歯周病を抱えています。初期の歯肉炎を放置すると、歯垢中の細菌が歯周ポケットの深部へと侵入し、歯を支える歯槽骨を溶かしていく「歯周炎」へと進行します。骨の支持を失った歯はグラグラと動揺し始め、最終的に抜け落ちます。これが猫の歯周病症状と治療の現場で頻繁に目にする崩壊のプロセスです。

さらに猫特有の恐ろしい病気として警戒すべきが、猫の破歯細胞性吸収病巣(FORL)です。本来は乳歯を溶かす役割を持つ「破歯細胞」が何らかのエラーによって永久歯をエナメル質ごと溶かしてしまう原因不明の疾患で、成猫の約3割から6割に発現すると報告されています。歯の根元や歯冠が虫歯のように溶け、神経が露出するため、風が当たるだけでも激痛が走ります。歯が自然にポロリと取れたように見えても、実際は歯の頭(歯冠)だけが折れて歯根が歯茎の中に残り、激しい炎症を継続させているケースが極めて多いのです。

とりわけ注意を要するのが猫の犬歯が抜けたケースです。犬歯(牙)は顎の骨の奥深くまで強固な根を張っています。それが抜け落ちるというのは、歯槽骨が広範囲にわたって融解している証拠です。放置すると上顎では鼻腔と口が貫通する「口鼻瘻管(こうびろうかん)」を形成し、慢性的な膿の鼻水やくしゃみを引き起こします。下顎であれば、骨が紙のように薄くなり、硬いものを噛んだだけで顎が折れる「病的骨折」のリスクに直面します。

体力が低下した老猫の歯が抜けた際には、免疫力の低下や慢性腎臓病などの内科的疾患が背景に潜んでいることも多く、全身の精密検査が欠かせません。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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