20世紀最後の魔球の正体とは?打者を震撼させた軌道と伝説の真相
20世紀最後の魔球の正体とは?打者を震撼させた軌道と伝説の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
Q1:フォークボールとSFF(スプリット)の決定的な違いは何ですか?
A1:最大の相違点は「ボールの挟み方の深さ」と「球速・回転数」にあります。フォークボールは指の根元近くまで深く挟み、回転をほぼ完全に殺してブレーキをかけながら大きく落とします。一方のSFFは指の第一関節から第二関節あたりで浅く挟み、直球に近い球速と適度なスピンを残したまま、打者の手元で鋭く短く落とします。打者から見ると、フォークは見極めやすいが落差が大きく、SFFは見分けがつかないまま手元で消えるという体感の違いが生じます。
Q2:ジャイロボールも「魔球」と呼ばれましたが、SFFとは何が違うのですか?
A2:SFFが1980年代半ばに実戦導入され球界を席巻した「実在の実戦球」であるのに対し、ジャイロボールは1990年代中盤に手塚一志氏らによって提唱された「弾道理論・回転軸の概念」としての側面が強い球種です。ジャイロボールはライフル弾のように進行方向に対して螺旋回転するため、空気抵抗が少なく初速と終速の差が小さいのが特徴です。2000年代に松坂大輔投手が投げているのではないかと日米で過熱報道されましたが、20世紀最後の魔球として球史を塗り替えた実体性においてはSFFが別格の存在感を誇ります。
Q3:なぜSFFは「投手の肘を壊す」と問題視されたのですか?
A3:指を開いて強い内転・回内テンションをかけた状態で、ストレートと同等のフルスイングで腕を振るためです。指の開きによって前腕筋群に過度な緊張が生じ、リリース時の衝撃が肘の内側側副靭帯(UCL)へとダイレクトに集中しやすくなります。実際に日米の球界でスプリットを多投した投手がトミー・ジョン手術(靭帯再建手術)を受けるケースが相次いだため、現代では育成年代での投球制限や握りの改良が進められています。