2026年に再評価される夏目雅子という現象——4Kで蘇る伝説、なぜいま新たな世代の胸を打つのか

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彼女の遺作となった1984年の映画『瀬戸内少年野球団』(篠田正浩監督)は、終戦直後の混乱期を逞しく生きる子どもたちと人々の姿を描いた名作だ。ここで見せた駒子先生役は、女優・夏目雅子が到達したひとつの到達点と言える。

敗戦の喪失感と未来への不安が渦巻く島で、野球を通して子どもたちに夢と希望を注ぎ込む若き女性教師。その眼差しには、溢れんばかりの包容力と、時代を乗り越えようとする静かな覚悟が宿っていた。この作品の撮影当時、彼女の身体にはすでに病魔の影が忍び寄っていたとされるが、カメラが捉えたのは翳りのない絶対的な光だった。もし彼女が30代、40代と齢を重ねていたらどんな大女優になっていただろうか——観る者にそう思わせずにはいられない圧巻の芝居だった。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

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