アラジンの舞台はどこの国?原作の中国設定と砂漠の王国の真実
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映画のイメージを一度リセットして原典に立ち返ると、誰もが目を見張る記述にぶつかる。世界的な説話集『千夜一夜物語』(別名・アラビアンナイト)に収められた物語の冒頭には、主人公のアラジンが「中国の貧しい少年」であると明記されている。
中東の民話であるはずの物語が、なぜ中国を舞台にしているのか。当時のイスラム世界において「中国」という言葉は、地理的に厳密な東アジアの帝国のみを指していたわけではない。「極東の果てにある、途方もなく遠く魅力的な異郷」を象徴するレトリックだった。シルクロードを行き交う商人たちによって伝えられた東方のイメージは、イスラム圏の人々にとって究極の異国情緒をかき立てる舞台装置だったのである。
登場人物たちがイスラム教徒のような暮らしを営み、仕立て屋の息子であるアラジンが魔法のランプを手に入れる過程には、中央アジアや中国西域のウイグル地方など、シルクロード文化圏の濃密な混交が色濃く反映されている。