いくらは何の卵?鮭とマスの違いから語源や価格高騰の真相まで解明
いくらは何の卵?鮭とマスの違いから語源や価格高騰の真相まで解明とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
水産売り場に並ぶ「いくら」と「筋子(すじこ)」。見た目も価格も大きく異なりますが、原料となる卵自体は同じサケ・マスの卵です。では、両者の境界線はどこにあるのでしょうか。いくらと筋子の違いと真相を一言で言えば、「卵巣膜(らんそうまく)で一塊に繋がっているか、膜を取り除いて一粒ずつバラバラにほぐしているか」という加工プロセスの違いにあります。
筋子は、メスの腹から取り出した卵巣そのものを指します。血管が通った薄い膜(卵膜)に包まれており、筋のように繋がっていることからその名が付きました。一般的には、卵がまだ未成熟で粒が小さく、膜から外れにくい段階のものが筋子として塩漬けや醤油漬けに加工されます。未熟ゆえに皮が非常に柔らかく、濃厚でねっとりとした舌触りが愛好家を惹きつけてやみません。
対してイクラは、産卵直前の完熟に近づいた卵巣から、手作業や専用の道具を使って膜を丁寧に取り除き、一粒ずつ分離させたあとに醤油や塩水に漬け込んだものです。完熟した卵は粒が独立して張りがあり、あの独特の心地よい弾力とプチプチ感が生まれます。
秋の旬の時期には、生筋子を購入して自家製イクラを漬ける愛好家も少なくありません。市場の仲卸業者が口を揃える筋子からいくらほぐし方のコツは、「温度」と「塩分」の徹底管理にあります。
プロが推奨するのは、40℃前後のぬるま湯に3%前後の食塩を溶かした「立て塩」を使う手法です。真水を使うと浸透圧で卵が水を吸って破裂したり白濁したりするため厳禁です。ぬるま湯の中で優しく揉みほぐすか、焼き網やバドミントンのラケットのような目の粗い網の上に筋子を置き、手のひらで撫でるように滑らせると、卵巣膜だけが網の上に残り、下へ美しい粒が落ちていきます。手際よくほぐした後に素早く水気を切り、特製の醤油ダレに漬け込むことで、市販品とは比較にならない極上のイクラが完成します。