東電Ol事件・渡邉泰子の知られざる素顔|エリートが抱えた二重生活

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この事件が日本の司法史上に刻んだ爪痕は、殺人事件そのものの衝撃にとどまらない。事件直後、現場アパートの隣室に不法滞在していたネパール人男性、ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏が強盗殺人容疑で警視庁に逮捕された。一審の東京地方裁判所は無罪を言い渡したものの、東京高等裁判所での逆転有罪判決を経て、無期懲役が確定することとなる。

だが、この有罪認定の裏には、警察・検察による致命的な証拠隠蔽が存在していた。当時から現場に残されていた被害者の胸や衣服に付着していた体液のDNA型は、ゴビンダ氏のものとは一致していなかった。検察側はこの鑑定結果を法廷に提出せず、彼を有罪に追い込むための状況証拠ばかりを強調し続けた。

事態が急転したのは、確定から十数年が経過した2011年。弁護側の粘り強い再審請求により実施された最新鋭のDNA再鑑定で、被害者の爪の間や体内から採取された精液が、ゴビンダ氏とは異なる「第三者の男性」のものであることが科学的に証明された。2012年、再審無罪判決が下され、ゴビンダ氏は15年におよぶ過酷な獄中生活から解放された。しかし、警視庁が当初から特定の筋読みに固執した結果、真犯人の特定につながる初動捜査の決定的な手がかりは完全に失われてしまった。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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