宮大工の技が冴える登録有形文化財、十和田ホテルを贅沢に味わう
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この建築を語る上で欠かせないのが、昭和14(1939)年の創業当時に集結した屈指の技術者たちの存在だ。幻となった東京オリンピックに向け、外国人ゲストを迎え入れる最高峰の国営風ホテルとして計画された本館は、秋田の名工・長野政雄を中心とする総勢80名もの宮大工によって建設された。
当時の日本全国から選りすぐられた職人たちが、秋田杉をはじめとする最高級の天然木材を惜しみなく投入。釘を極力使わない伝統的な木工技法を用い、数年の歳月をかけて組み上げた空間は、もはや建造物というより巨大な工芸品と呼ぶにふさわしい。格天井の緻密な装飾や、削り出された丸太柱の美しい曲線には、職人たちの執念にも似た情熱が息づいている。