カレイとヒラメの違いを徹底解剖!見分け方と味・価格差の真相
カレイとヒラメの違いを徹底解剖!見分け方と味・価格差の真相の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。
なぜ日本料理の伝統において、ヒラメは白身刺身の最高峰として扱われ、カレイは煮付けの代名詞とされてきたのか。東京都内の老舗割烹店主や豊洲市場の仲卸への取材を進めると、調理科学に基づいた明確な必然性が浮かび上がってきます。
「ヒラメの身は筋繊維が緻密で、死後硬直から解硬する過程で旨味成分であるイノシン酸が長時間にわたって保持される特性を持っています。薄造りにしても身が崩れず、噛みしめるほどに淡白ながら芳醇なアミノ酸の甘みが広がる。だからこそ刺身として成立するのです」と仲卸関係者は証言します。筋肉を激しく収縮させて小魚を追うヒラメの肉質は、水分含有量が適度に引き締まっており、醤油やポン酢を弾かない絶妙な繊維構造を保ちます。
一方で、カレイの身はヒラメに比べて水分が多く、筋繊維が柔らかいため、刺身にすると鮮度落ちが早く水っぽさを感じやすい側面があります(大分県の日出町で獲れる「城下かれい」のような特殊な高級ブランドを除く)。しかし、加熱調理を施すと評価は一変します。カレイの皮下およびヒレ周りには極めて良質な水溶性コラーゲンとゼラチン質が濃密に蓄えられており、醤油、酒、みりんで煮含めることで、ふっくらとした柔らかな身質へと昇華するのです。これが、刺身と煮付けで使い分ける理由の科学的な真相です。
また、回転寿司などで広く親しまれている「えんがわ(縁側)」にも流通のカラクリが存在します。ヒラメ1匹から取れる本物のエンガワはごくわずかであり、大衆的な寿司チェーンで提供されている肉厚なエンガワの多くは、オホーツク海や北大西洋で漁獲される「カラスガレイ」や「オヒョウ」といった大型カレイ類のヒレ筋肉です。脂の乗りが非常に強いため炙り寿司などに重宝されますが、高級寿司店で供される天然ヒラメのコリコリとした歯ごたえと上品な脂のキレとは、本来別次元の代物です。