朝ドラ『花束を君に』歌詞の真相|宇多田ヒカルが母へ捧げた再生の物語

今注目を集めている 朝ドラ『花束を君に』歌詞の真相|宇多田ヒカルが母へ捧げた再生の物語について、詳しいまとめを分かりやすく掲載しています。

宇多田ヒカルが2010年末をもって無期限の活動休止に入った際、掲げられた言葉は「人間活動に専念する」というものでした。華々しい音楽業界の頂点から身を引き、市井の一人の人間としての暮らしを営むなか、彼女の身には激動の出来事が相次ぎます。2013年8月の母・藤圭子の急逝、そしてロンドンでの結婚と2015年7月の第1子男児出産です。深い悲劇と新たな命の誕生という、人生の両極を体験したことが、彼女を再び創作の場へと向かわせました。

NHK制作陣からの朝ドラ主題歌オファーが届いたのは、まさにそのタイミングでした。高畑充希が主演を務める連続テレビ小説第94作『とと姉ちゃん』は、生活総合誌『暮しの手帖』の創業者・大橋鎭子をモチーフにした物語。幼くして結核で病没した父・竹蔵(西島秀俊)の「とと(父親)の代わりになって家族を守ってほしい」という遺言を胸に、主人公・常子が母と妹たちを支えて激動の昭和を生き抜く姿を描いた作品です。

当時の特番インタビューや手記において、宇多田本人は「朝ドラのオープニングだからといって、無理に明るく元気な曲にするのではなく、今の自分が素直に書きたいもの、そしてドラマの根底にある『残された家族の営み』に向き合おうとした」という趣旨を明かしています。自らの家族の喪失と、ドラマ内で描かれる家族の喪失。ふたつの喪失と再生が必然のように重なり合い、名曲『花束を君に』が産声を上げました。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest