東條英機を驚愕させた石原莞爾の異彩エピソードと満州事変の深層
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石原莞爾を語る上で絶対に外せないのが、後の首相・東條英機との絶望的なまでの不仲だ。陸軍中央で権力を握り実務主義を重んじた東條に対し、直感と理想主義で突っ走る石原は反発を隠そうともしなかった。関東軍参謀長として東條が赴任してきた際、石原は公然と彼を愚弄。「東條上等兵」と蔑み、「あんな男に軍の指揮が執れるか」と吐き捨てたという逸話はあまりにも有名だ。
対立は感情論にとどまらず、国家戦略の根本で決定的な破綻を迎える。日中戦争の全面拡大を危惧し「早期撤兵と対ソ備え」を主張した石原に対し、戦線拡大を推し進めた東條一派は石原を中央から追放。予備役に追い込まれた後も、石原は東條を「日米開戦という暴挙で国を滅ぼす悪魔」と非難し続けた。極東国際軍事裁判の場でも「東條こそが最大の戦犯だ」と証言しようとしたエピソードは、二人の確執がいかに深く、取り返しのつかないものであったかを物語っている。