とうもろこしは蒸すのが新常識!甘さ倍増の極意と失敗しない加熱時間比較
とうもろこしは蒸すのが新常識!甘さ倍増の極意と失敗しない加熱時間比較の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。
長年親しまれてきた「茹でとうもろこし」という調理法に対し、フードサイエンスや青果卸売の現場からは見直しの声が上がっています。その根本にあるのが、茹でると蒸すの違いと理由に関わる物理的な栄養・糖分の移動です。とうもろこしの甘味を構成するショ糖や果糖、グルコースは極めて水に溶けやすい水溶性成分であり、沸騰した大量のお湯の中でぐらぐらと煮てしまうと、粒の隙間や断面から大切な甘みと水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、C、葉酸)が湯水へと流れ出してしまうのです。
これに対し、蒸気によって間接的に熱を伝える蒸し調理では、食材の外側に触れる水分がごくわずかな結露水に限られます。細胞組織内の浸透圧が保たれるため、糖分が外部へ拡散せず、粒の内部に完全に閉じ込められます。さらに、熱伝導が穏やかで均一に進むため、粒の皮(果皮)が破裂しにくく、口に含んだ瞬間に弾ける独特の食感(プチッとした張り)がそのまま保たれます。
もう一つの重要なファクターが、とうもろこしが一番甘くなる温度と理由です。でんぷんを甘い麦芽糖に変える酵素「アミラーゼ」は、およそ60℃から85℃の温度帯で活発に働きます。沸騰した熱湯に放り込むとこの温度帯を一瞬で通過してしまい、酵素が働く前に失活してしまいます。蒸し器や低温からのスチーム調理を行うと、中心温度が緩やかにこの酵素活性帯を通過するため、とうもろこし自体の糖化が自然と促進され、収穫時以上の濃密な甘味を感じられる仕上がりになります。