明日の金価格予想と急変の真相|田中貴金属指標から読み解く売り時
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過去数年間で金価格が異次元の水準へと駆け上がった背景には、単なる投機的なマネーゲームを超えた構造的要因が存在します。金価格高騰の決定的な理由を整理すると、基軸通貨である米ドルへの信認の揺らぎ、世界の中央銀行による記録的な「脱ドル・金買い増し」、そして地政学リスクの常態化という3つの巨大な潮流に集約されます。
なかでも極めて大きな影響力を及ぼしているのが米国金利と金相場の力学変化です。伝統的な金融理論では、金は保有していても利息や配当を生まないため、米国が利上げを行ってドル金利が高くなると金は売られ、利下げ局面では買われるというシーソーの関係が成り立っていました。しかし、ウクライナ情勢以降のロシア資産凍結措置を目の当たりにした新興国の中央銀行(中国人民銀行、インド準備銀行など)は、米国の制裁リスクを避けるために外貨準備におけるドル資産を減らし、いかなる国家権力からも差し押さえられない「無国籍通貨」としての現物金を猛烈なペースで買い進めました。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調査報告でも明らかなように、世界の中央銀行による金購入量は歴史的な高水準を維持し続けています。これに加えて、米国の累積債務膨張に伴うドルの減価懸念が機関投資家をゴールドに向かわせています。インフレによって紙幣の購買力が目減りするなか、有史以来5000年にわたって価値を保ち続けてきた金の希少性が、あらためてグローバル資本の逃避先として選ばれているのです。