船頭多くして船山に登るの真相|なぜ組織は迷走する?原因と現場の教訓

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組織の機能不全を未然に防ぎ、健全な航海を維持するためには、どのような構造設計が求められるのでしょうか。心理学および組織マネジメントの観点から導き出される決定的な処方箋は、「権限の一元化」と「心理的バウンダリー(境界線)」の徹底に集約されます。

まず実務レベルで導入すべきは、グローバル標準の責任分掌フレームワークであるRACI(レイシー)モデルの明文化です。

  • R(Responsible/実行責任者):実際に手を動かして航行作業を行う人
  • A(Accountable/説明・最終決定責任者):舵を握り、成否の最終責任を負う「真の船頭」(必ず1名のみに限定)
  • C(Consulted/協議・助言先):専門的な知見を提供するアドバイザー(舵は触らない)
  • I(Informed/報告先):決定事項と進捗の共有を受ける関係者

多くの炎上プロジェクトでは、本来「C(助言先)」であるはずの役員や他部署のキーマンが、勝手に「A(決定責任者)」の振る舞いをして現場に直接指示を飛ばすことで崩壊します。プロジェクト憲章において「最終決定権はPMの〇〇に唯一帰属し、ステークホルダーからの要望はすべてPMを通じてフィルタリングされる」という絶対不可侵の防壁を構築しなければなりません。

さらに、働く個人にとっても自衛のための明確な判断基準が存在します。

参画すべき健全なプロジェクトの特徴警戒・回避すべき「船山型」組織の特徴・失敗の責任を引き受ける最高意思決定者が明確
・各メンバーの守備範囲と役割が文書化されている
・意思決定の判断軸(納期優先か品質優先か等)が周知・「共同リーダー」「共同代表」など決定権者が複数並列
・会議で誰もが否定的な意見を言うが、代案と決断は出ない
・現場に直接指示を出してくる上層部が何人も存在する

もしあなたが所属する組織が後者の特徴を帯びているならば、それはまさに「船が山へ登り始めている前兆」です。中間管理職や現場担当者がこの歪みに立ち向かうには、指示が衝突した瞬間に「どちらの優先順位を上位とすべきか、役員同士で合意の上で指示書を一元化してください」とボールを投げ返し、自らの心理的境界線を死守する毅然とした姿勢が求められます。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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