チンパンジーの寿命の謎を解く|野生と飼育の差や老化の最新科学
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記録の上限に目を向けると、飼育下では60歳を超える驚異的な長寿個体が複数報告されている。米国や日本の研究施設・動物園では、60歳代後半から70歳近くまで生きた記録が存在し、世界最高齢の事例は人間でいえば100歳以上のセンテナリアンに相当する。
興味深いのは、彼らの「老い方」そのものが人間と不気味なほど重なる点だ。加齢に伴う白髪や筋力低下、関節の変形はもちろん、近年注目されているのが心血管疾患のリスクである。高齢チンパンジーの主要な死因の一つに特発性心筋線維化症が挙げられ、心臓のポンプ機能低下が寿命を決定づける大きな要因となっている。さらに、近年の観察研究では一部の野生集団において人間と似た「閉経」の兆候が確認されるなど、生殖寿命と個体寿命のズレに関する生物学的メカニズムの解明が急速に進んでいる。