頭を打ったら何科?受診基準と脳神経外科・形成外科の選び方
頭を打ったら何科?受診基準と脳神経外科・形成外科の選び方について詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
頭部外傷の評価において、小児と高齢者は成人の一般的な基準をそのまま適用できません。それぞれの身体的・生理学的特徴に応じた個別の視点が求められます。
【子供(乳幼児・小児)の受診判断基準】
乳幼児は言葉で痛みを表現できないため、行動の変化を細かく観察します。小児頭部外傷ガイドライン(PECARN基準)では、受傷直後に激しく泣いた後、速やかに泣き止んで機嫌よく母乳やミルクを飲み、いつも通りの笑顔を見せる場合は緊急性が低いと判断されます。しかし、「抱っこしても泣き止まない」「目が合わない」「ぐったりして眠り続ける」「授乳のたびに噴水状に吐く」といった兆候があれば、直ちに小児科または脳神経外科の受診が必要です。
【高齢者の頭部打撲と慢性硬膜下血腫】
高齢者の頭部外傷で最も警戒すべきは、受傷から1〜3ヶ月後に発症する慢性硬膜下血腫です。加齢により脳が萎縮しているため、打撲の衝撃で脳表面の微小な静脈(架橋静脈)が引っ張られてわずかに出血し、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと血液の塊(血腫)が溜まっていきます。「最近物忘れが急に増えた」「歩行時に足を引きずるようになった」「軽度の失禁がある」といった症状は、認知症と誤認されやすいですが、手術で血腫を除去すれば劇的に回復するケースが多いため、過去数ヶ月以内の転倒歴を確認することが不可欠です。