『カリオストロの城』ラストに隠された宮崎駿の真意と名言の深層
『カリオストロの城』ラストに隠された宮崎駿の真意と名言の深層の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
「連れてって……泥棒はできないけど、きっと覚えるから」とすがるクラリスに対し、ルパンは一瞬強く抱きしめながらも、最終的には彼女を城に残す道を選びました。ファンが長年議論を交わす連れ去らなかった理由には、キャラクター造形における倫理観とリアリズムが深く関わっています。
劇中の描写や当時の設定資料によると、ふたりの間には明確なルパンとクラリスの年齢差が存在します。クラリスが10代半ばから後半の無垢な少女であるのに対し、ルパンは酸いも甘いも噛み分けた30代前後の大人の男です。泥棒稼業という「血と硝煙にまみれた日陰の世界」に生きるルパンにとって、ようやく幽閉の城から解放された無垢な少女を連れ出す行為は、自由を与えるどころか新たな牢獄へ引きずり込むことに他なりませんでした。
抱きしめようとした手を宙で止め、自らのジャケットを羽織らせて優しく諭す動作にこそ、大人の男としてのギリギリの自制心と、彼女の未来を誰よりも尊重した究極の愛情が凝縮されています。