フランダースの犬の犬種は?パトラッシュの正体とアニメ変更の決定打
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世界中で愛される名作でありながら、日本人の多くが抱くパトラッシュのビジュアルと、作者ウィーダが文字で紡ぎ出した原像には決定的な乖離があります。フランダースの犬 原作の犬種として明記されているのは、ベルギー西部のフランドル(フランダース)地方に古くから土着していた作業犬「ブービエ・デ・フランドル(Bouvier des Flandres)」です。
原作テキストにおけるパトラッシュの描写は、実におどろおどろしく、力強さに満ちています。「たくましい骨格」「大きな頭部」「立ち上がった耳」「荒々しく硬い褐色の混ざった黒い被毛」、そして「オオカミを思わせる風貌」。過酷な労働に耐えうる頑強な肉体を持ち、粗暴な金物屋の男に重い荷車を引かされ、虐待の末に道端に打ち捨てられていたところをジェハンじいさんとネロに救われたという経緯が描かれます。
「ブービエ(Bouvier)」とはフランス語で「牛追い」を意味し、フランドル地方の農民たちが牧牛の誘導や農産物の運搬、さらには churning(バター攪拌器の動力)に用いるために作出した使役犬でした。決して子どもに抱きついて愛嬌を振りまく愛玩犬ではなく、北海の寒風が吹き荒れる泥炭地で人間とともに泥にまみれて働いていた歴戦のワーキングドッグ、それが本来のパトラッシュの犬種だったのです。