スコティッシュフォールド病気の真実|折れ耳・寿命と痛みのサイン
スコティッシュフォールド病気の真実|折れ耳・寿命と痛みのサインの重要ポイントを解説します。最新トレンドが詰まっています。
スコティッシュフォールドが直面する遺伝的リスクは、骨や関節の異常だけに留まりません。血統の成立過程においてアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、ペルシャなどとの交配が行われてきた歴史的経緯から、特定の重篤な内科疾患の発症率が高いことが各種疫学データから指摘されています。
最たる警戒疾患が「肥大型心筋症(HCM)」です。これは心臓の筋肉(特に左心室の壁)が求心性に異常に分厚くなり、心室内部が狭くなって全身に十分な血液を送り出せなくなる心疾患です。猫の心筋症は初期段階で外見上の症状がほとんど出ず、聴診での心雑音すら検出されないケースが少なくありません。ある日突然、肺水腫による呼吸困難を起こしたり、遊離した血栓が後肢の主動脈に詰まる「大動脈血栓塞栓症」を併発して下半身麻痺と激痛に襲われたりするなど、急変して死に至る危険性を孕んでいます。
もう一つの深刻な病変が「多発性嚢胞腎(PKD)」です。腎臓の組織内に液体が溜まった袋(嚢胞)が無数に発生し、加齢とともに嚢胞が増大・増殖して正常な腎組織を圧迫・破壊していく進行性の病気です。最終的には不可逆的な慢性腎不全へと移行し、多飲多尿、貧血、食欲不振、尿毒症を引き起こします。DNA検査による遺伝子チェックや定期的な超音波検査による早期捕捉が推奨されています。
ここで重要なのは、「耳が立っているスコティッシュストレート(立ち耳)なら安全」という誤解の解消です。立ち耳の場合、骨軟骨異形成症の重症化リスクは折れ耳に比べて格段に低いものの、肥大型心筋症や多発性嚢胞腎といった内科的・心血管系の遺伝性疾患リスクは折れ耳と同等に引き継いでいる点を見落としてはなりません。