高校偏差値60で大学全滅?偏差値の違いとマイナス10の法則の真相

高校偏差値60で大学全滅?偏差値の違いとマイナス10の法則の真相についての疑問解決ガイドをご紹介します。

高校受験において「偏差値60」といえば、地域の中学校で上位15%前後、クラスでトップ5に入っていた優秀層です。しかし、大学受験の世界で「偏差値60」をそのまま志望校の目安にすると、想像を絶する悲劇が待っています。河合塾のボーダーラインで偏差値60前後に位置するのは、明治大学、青山学院大学、立教大学、同志社大学といった名門私立、あるいは上位の地方国公立大学です。高校時代に偏差値60だった生徒がこれらの大学を一般選抜で受験した場合、対策を抜かりなく進めていなければ不合格を連発するケースが後を絶ちません。 この学力ギャップを生み出す最大の要因が、高校受験と大学受験の母集団の違いです。 文部科学省の学校基本調査等の統計を基に分析すると、日本の中学卒業生における高校等への進学率は約98.8%に達します。つまり、高校受験の偏差値は「同世代のほぼ全国民」を分母とした相対評価です。学力が極めて高い層から学習習慣が定着していない層まで、全員が均等に含まれたピラミッドの中で算出されます。 一方、大学への進学率は短大を含めて約60%前後です。高校卒業後に就職する層や専門学校へ進む層は、原則として大学受験模試の母集団に含まれません。さらにここへ、東大・京大や難関医学部、早慶上理を本気で目指す浪人生を含む母集団レベルの真相が重なります。1年間で数千時間の勉強を積み増した猛者たちが加わることで、母集団全体の平均点(偏差値50のライン)が劇的に跳ね上がります。 高校受験で学力ピラミッドの上位半分に位置していた生徒たちだけが集まり、新たな母集団を形成する構図です。その結果、高校受験で「偏差値60」だった生徒が、大学受験の母集団に入ると「平均点前後(偏差値48〜52程度)」に押し下げられます。これが、大学受験で偏差値が下がる理由の数学的な正体です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest