簿価とは?時価との違いや1円残す理由・Pbr割れの真実をプロが解説

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実務における帳簿価額の計算方法の基本構造はシンプルです。有形固定資産の場合、「取得原価 − 減価償却累計額 = 期末簿価」という算式で導き出されます。事務用PCや社用車、工場設備などは、時間の経過や使用によって物理的・経済的価値が減少していくため、法定耐用年数にわたって費用配分を行う減価償却と残存簿価の概念が直結します。

ここで多くの人が疑問を抱くのが、「減価償却を終えたパソコンや機械が、なぜ帳簿上でゼロ円にならず『1円』として残され続けるのか」という点です。この簿価1円に残す決定的な理由は、会計学上で「備忘価額(びぼうかがく)」と呼ばれる内部統制上の極めて合理的な仕組みにあります。

監査法人の現役公認会計士は、現場の事情を次のように明かします。「帳簿上の数値を0円にしてしまうと、固定資産台帳の減価償却詳細まとめから該当資産の存在感が消え去り、社内で現物がどこにあるのか、誰が管理しているのかが把握不能になります。1円という象徴的な数値をあえて残すことで、『減価償却は終わったが、社内で現役稼働している資産』として台帳に爪痕を残し、現物照合時の紛失や不正転売を防いでいるのです」。

平成19年度(2007年)の税制改正以前は、法定耐用年数が到来しても「取得価額の5%」を残存簿価として残すルールが存在しました。しかし現行税法では、耐用年数が経過した翌事業年度に、残存簿価のうち1円を残して全額を償却可能限度額まで費用化できるよう制度設計が統一されています。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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