据え切りとは?愛車を痛めるNg理由と寿命を延ばす2026年の駐車術

据え切りとは?愛車を痛めるNg理由と寿命を延ばす2026年の駐車術の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

インターネット上の掲示板やSNSでは、「パワステが油圧式だった昭和や平成初期の旧車ならともかく、電子制御が進んだ最新の車なら据え切りくらいで壊れはしない」という言説が散見されます。しかし、自動車部品メーカーの設計関係者は「その認識は半分正しく、半分は極めて危険な誤解である」と一蹴します。

かつて主流だった油圧式パワーステアリングの場合、据え切りによって油圧回路内の圧力が限界値まで跳ね上がり、リリーフバルブから唸り音が発生してパワステポンプの故障原因(オイル漏れやシール抜け、ポンプの焼き付き)に直結していました。対して現代の主流である電動パワーステアリング(EPS)は、油圧ポンプの代わりに電動モーターがアシストトルクを発生させます。

しかし、EPSであっても物理法則から逃れることはできません。停車中に前輪を力尽くで回そうとすれば、アシストモーターには数十アンペアもの大電流が流れ込み、モーター本体と制御ECUが瞬時に超高温状態に達します。過熱による焼損を防ぐため、最新のシステムにはフェールセーフ(保護制御)がプログラムされていますが、これが作動するとアシストが強制制限され、突然ステアリングが重力に逆らうかのように激重化します。

さらに見過ごせないのが、脱炭素化の潮流に伴う車両重量の劇的な増加です。ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)は、大容量駆動用バッテリーを床下に積載しているため、同クラスのガソリン車に比べて車両重量が200kg〜400kg近く増加しています。2トンを優に超える車両が珍しくなくなった現在、据え切り時に路面へかかる接地圧は過去の比ではありません。窓を開けて据え切りをした際に足元から響く「ククク」「ギギギ」というハンドル据え切りの異音は、悲鳴を上げる足回りパーツからのSOSに他なりません。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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