イチゴの花が黒い原因とは?実がつかない理由と失敗防ぐ受粉・摘花術
イチゴの花が黒い原因とは?実がつかない理由と失敗防ぐ受粉・摘花術について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。
「花の中心は黄色いのに、花びらが落ちた後、軸ごと茶色く枯れて実がつかない」というトラブルも頻出します。まず整理しておきたいのは、イチゴの花びらが落ちる理由自体は、受粉の成否にかかわらず開花後3〜5日ほどで起きる自然な生理現象であるという点です。問題は、花びらが散った「その後」に花托がふくらみ始めるかどうかにあります。
イチゴの花が咲いても実がつかない原因を植物生理学の観点から掘り下げると、主に以下の3つの決定的な要因が浮かび上がります。
第1の要因は、「受粉媒介者(ポリネーター)の絶対的不足」です。露地栽培であればミツバチやハナアブなどの昆虫、あるいは春の風が花粉を運びます。しかし、昨今増えているマンションのベランダや室内、ビニールで密閉された環境では受粉媒介者が存在しません。花粉が雌しべの柱頭に付着しなければ受精は成立せず、植物ホルモンであるオーキシンが分泌されないため、花托の細胞分裂が停止してそのまま黄変・脱落します。
第2の要因は、「花粉稔性(受精能力)の低下」です。開花時の気温が低すぎる(概ね10℃以下)場合や、逆にハウス・温室内で30℃を超える高温にさらされた場合、雄しべから放出される花粉自体の発芽力が著しく落ちて受精に失敗します。
第3の要因が、園芸初心者が陥りがちな「肥料過多によるつるボケ(栄養生長への偏重)」です。開花期前後に窒素(チッソ)成分の多い肥料を与えすぎると、株は葉やランナー(走出枝)ばかりを異常に繁茂させ、生殖生長である「実を育てる活動」を後回しにして花を自ら見限って枯死させてしまいます。