ちむどんどん脚本はなぜ炎上したのか?反省会と歴代評価の真相

ちむどんどん脚本はなぜ炎上したのか?反省会と歴代評価の真相とは一体何なのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

本作の脚本を担当した羽原大介氏は、決して経験の浅い作家ではありません。映画『パッチギ!』(2005年)や『フラガール』(2006年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、朝ドラにおいても2014年後期の『マッサン』を大ヒットに導いた超一流の実力派です。骨太な人間ドラマと泥臭い情熱、笑いと涙を交えた群像劇の巧みさには定評がありました。

それほどの実績を持つ名匠が、なぜこれほどの批判を浴びる脚本を生み出すに至ったのか。その背景には、映画脚本と帯ドラマ(15分×125回)というフォーマットの違い、そして時代のモラル規範の急激な変化があります。

関係者やドラマ演出の専門家が指摘するのは、「映画的な粗削りな昭和の熱情」をそのまま朝の連続ドラマに持ち込んでしまった齟齬です。2時間の劇場映画であれば、破天荒なダメ男や非常識なヒロインも「愛すべきトラブルメーカー」として勢いで押し通すことができます。しかし、毎朝15分間、半年間にわたって視聴者の日常に寄り添う朝ドラにおいては、登場人物たちの倫理的な瑕疵や不快感は蓄積され、やがて許容限度を超えてしまいます。

また、NHKの制作体制におけるチェック機能の麻痺も囁かれました。羽原氏のような大物脚本家に対し、現場の若手・中堅の演出陣やプロデューサーが「現代の視聴者にはこの行動は暴力や詐欺、ハラスメントに見える」とブレーキをかけられなかったのではないかという構造的問題です。昭和の喜劇映画的な予定調和を令和の視聴者に提示した結果、致命的な感覚のズレが生じてしまったと言えます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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