上野の国際子ども図書館へ!歴史建築と絵本カフェの魅力を徹底解剖
上野の国際子ども図書館へ!歴史建築と絵本カフェの魅力を徹底解剖を徹底追究! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。
国際子ども図書館を語る上で欠かせない最大の要素が、建物そのものが放つ圧倒的な存在感です。現在「レンガ棟」と呼ばれる本館部分は、明治39年(1906年)に東洋一の大図書館を目指して建設された旧帝国図書館の庁舎を母体としています。設計を手掛けたのは文部省技師の真水英夫らで、ルネサンス様式を取り入れた重厚なモルタル装飾や外壁の化粧レンガが往時の威容を今に伝えています。
しかし、当初計画されていた規模の約4分の1が完成した段階で、財政難や戦争の足音によって工事は中断を余儀なくされました。未完の傑作として昭和を生き抜いたこの歴史的遺産を、2000年代初頭の再生プロジェクトで劇的に蘇らせた立役者の一人が建築家・安藤忠雄氏です。安藤氏は保存改修にあたり、当時のインタビューや記録の中で「古い建物をただ保護するだけでなく、現代の新しい息吹を貫通させることで過去と未来が激しく対話する空間を生み出す」という趣旨の思想を明かしています。
その哲学が最も象徴的に現れているのが、レンガ棟の歴史的なファサードを斜めに貫くガラスボックスのエントランスです。100年以上前のレンガ壁をガラスで包み込み、光が降り注ぐラウンジへと昇華させた構造は、古い意匠を傷つけることなく保護しながら、現代の耐震・防災基準(免震レトロフィット工法)を高い次元でクリアしました。さらに、2015年に全面開館した「アーチ棟」は、弓なりのガラスカーテンウォールがレンガ棟を取り囲むように広がり、新旧の建築が中庭を介して見事に響き合っています。