欄干とは?手すりとの違いや擬宝珠の名称・建築基準法まで徹底解説
欄干とは?手すりとの違いや擬宝珠の名称・建築基準法まで徹底解説の重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。
街中の橋を渡る際、欄干を構成する一つひとつの部材に目を向けると、数百年以上にわたり受け継がれてきた木工・土木工学の精緻なロジックが見えてきます。橋梁付属物の構造として分類される伝統的な欄干は、主に以下のような専門名称で構成されています。
欄干の両端でどっしりと構える最も太い柱が親柱(おやばしら)です。橋の起点と終点を示し、往来する人々を迎え入れる象徴であり、現代の橋梁でも漢字の橋名、ひらがなの橋名、河川名、竣工年月が刻まれる重要な部位です。河川名を記す側に「川が濁らず澄み続けるように」という祈りを込めて「濁点(がわ)」を付けず「〇〇かわ」と刻む慣習も、この親柱の伝統から息づいています。
欄干の最上部を横一文字に走る横木は笠木(かさぎ)と呼ばれます。雨露から下部の木材を守る「笠」の役割を果たすとともに、人が思わず手を掛けたくなる滑らかな曲線美を描きます。笠木の下には一定の間隔で補強用の横木である「平桁(ひらげた)」が通り、足元にはゴミや水が溜まるのを防ぎつつ床面を固定する「地覆(じふく)」が設置されます。
そして、日本の伝統的な橋の欄干を語るうえで外せないのが、親柱などの頭頂部に据えられる擬宝珠(ぎぼし)です。一見するとタマネギを逆さにしたような独特のフォルムですが、これは仏教においてあらゆる願いを叶えると信じられた宝の玉「如意宝珠(にょいほうじゅ)」をかたどった神聖な造形です。古くは格式高い公儀の管理する橋(江戸の日本橋や京の三条大橋など)にしか設置が許されない権威の象徴でした。同時に、雨水が木製親柱の木口(繊維の断面)から染み込んで内部から腐食するのを防ぐ「銅製キャップ」という実用的な防腐機能も兼ね備えていました。