コーラで歯が溶ける噂は本当か?歯科医が明かす酸蝕症の真実と予防策

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子どものころによく見聞きした「抜けた乳歯をコーラに漬けて数日置いたら完全に溶けて消えてしまった」という有名な実験エピソードがあります。この実験結果そのものは科学的に事実ですが、それを人間の生体にそのまま当てはめることには大きな誤解が存在します。

生きた人間の口腔内と、密閉容器内のコーラ漬けとでは、決定的な環境の違いがあります。それは唾液の存在と自浄作用です。人間の口内には絶えず唾液が分泌されており、酸性に傾いた口内環境を中性へと引き戻す「緩衝能(かんしょうのう)」を備えています。さらに、唾液に含まれるカルシウムやリンが、酸によって溶け出したミネラルを歯に戻す「再石灰化」を常時行っています。

したがって、「コーラを飲んだ瞬間に歯が目に見えて溶けてなくなる」というのは明白な嘘です。しかし一方で、「酸性の液体に触れるたびに、歯の表面から微細なレベルでミネラルが溶け出している」という現象そのものは完全な真実です。唾液による修復スピードを上回る頻度で酸に晒され続ければ、生きた歯であっても確実に削れ、薄くなっていくリスクを背負っています。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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