幕府と政府の違いは何か?武家政権と近代国家の決定的な差を解剖
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結論から言えば、政治学や比較制度論の定義において、幕府は「封建軍事政権という形態をとった当時の政府」です。したがって、「幕府と政府」を二項対立として捉えるのは概念上の誤解であり、正しくは「幕府(封建武家政府)」と「近代以降の中央集権型政府」の統治スタイルの違いとして整理する必要があります。
まず「幕府」という言葉の原義に立ち返ると、古代中国の前漢時代、出征中の将軍が戦場で張った「幕(天幕・テント)」の幕舎を指していました。これが転じて、軍を率いる最高指揮官の居所、さらには武家の長たる征夷大将軍の政庁そのものを意味するようになります。つまり、幕府とは本来「軍事司令部」であり、国家の法制・税制・外交を一手に担う常設の文民統治機構とは出自が根本から異なります。
対する「政府」とは、国家主権を行使して社会秩序を維持し、国民を統御する機関の総称です。幕府も広義の政府であることに違いはありませんが、日本史の文脈で「政府」と呼ぶ場合、一般には1868年の明治維新以降に誕生した立憲制・官僚制に基づく近代政府を指します。幕府が「将軍と御家人・大名による私的な主従契約」を基盤にしていたのに対し、近代政府は「公法(憲法・法律)」に基づいて全国民を平等かつ直接的に統治する点に決定的な断絶があります。