なぜ自転車屋が空を飛べたのか?ライト兄弟の伝記とおすすめ本を徹底解説
なぜ自転車屋が空を飛べたのか?ライト兄弟の伝記とおすすめ本を徹底解説の詳細について、専門知識を詳しくお届けします。
ライト兄弟の歩みを振り返る際、多くの人が思い浮かべるのはキティホークの砂浜を飛ぶ複葉機の姿です。しかし、そこに至るまでの道のりは、相次ぐ挫折と徹底的な地道作業の連続でした。
兄のウィルバー・ライト(1867年生)は沈着冷静で読書家、全体を俯瞰する戦略家でした。一方、弟のオーヴィル・ライト(1871年生)は優れた機械工作のひらめきと直感力を持つ技術肌。2人は印刷業を経て、当時アメリカで大ブームとなっていた自転車の修理・製造販売を行う「ライト・サイクル・カンパニー」を開業します。この自転車店こそが、後の航空工学の実験場となりました。
空への転機となったのは、1896年、ドイツの航空先駆者オットー・リリエンタールがグライダー滑空事故で墜落死したニュースでした。鳥のように空を飛びたいという少年の頃からの憧れに火がついた兄弟は、独学で世界中の航空論文を取り寄せて読みあさります。
1900年から1902年にかけて、強風と砂地が実験に適したノースカロライナ州キティホークへ足繁く通い、数千回におよぶグライダー実験を敢行。そして1903年12月17日、自作の12馬力ガソリンエンジンを搭載した「ライトフライヤー号」で、オーヴィルの操縦により12秒間、距離36.5メートルの初飛行を成し遂げました。この日行われた4回目の飛行では、ウィルバーの手によって飛行時間59秒、距離260メートルを記録し、人類が動力によって制御された飛行を行えることが決定的に証明されたのです。