なぜ「子ども」とひらがなで書く?差別表現の誤解と使い分けの新常識
なぜ「子ども」とひらがなで書く?差別表現の誤解と使い分けの新常識について知っておくべき ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
自治体やメディアが「子ども」へと舵を切るなか、国の中枢では大きな揺り戻しが起きました。その契機となったのが、2010年の常用漢字表の表記改定と、それに伴う子供表記の復活経緯です。
もともと1981年に制定された旧常用漢字表では、「供」という漢字に「キョウ」「ク」「そな-える」「とも」の読みしか割り振られておらず、「ども」という濁音の読みは認められていませんでした。そのため、公用文の作成ルールに厳格に従う場合、常用漢字表外の読みを避けるために「子ども」と書かざるを得ないという事務的な側面もあったのです。
しかし、2010年の改定によって「供」の備考欄に「子供」という用例が明記され、正式に「ども」の読みが常用漢字表へ追加されました。これを受け、文部科学省は2013年8月、省内で取り扱う公用文について「今後は原則として『子供』表記を使用する」とする通知を出しました。
この方針転換の背景には、漢字の一部だけをひらがなにする交ぜ書き表記の賛否をめぐる激しい議論がありました。国語審議会や文化審議会において、「『子ども』『障がい』のような交ぜ書きは文章全体の品位を損ね、日本語本来の読みやすさを阻害している」「差別を意識しすぎるあまり不自然な表記を強要するのは本末転倒である」という強い批判が知識人層から巻き起こったことが決定打となりました。