もののけ姫エボシ様声優・田中裕子の凄み!宮崎駿が惚れ込んだ真の理由
もののけ姫エボシ様声優・田中裕子の凄み!宮崎駿が惚れ込んだ真の理由の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
エボシ御前を演じた田中裕子は、1955年4月29日生まれ、大阪府出身の名女優です。明治大学文学部演劇学科を卒業後、劇団文学座を経て本格的に映像の世界へ進出。1983年の連続テレビ小説『おしん』で主人公の青年期を演じ、日本国内にとどまらずアジアや中東など世界数十カ国で社会現象を巻き起こしました。国内の映画賞においても、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞やブルーリボン賞をはじめ数々の栄冠を手にしています。
スタジオジブリの公式パンフレットや当時の制作ドキュメンタリーによると、宮崎駿監督はエボシ御前という存在を「単なる文明の侵略者」や「記号化された悪役」として描くことを徹底して拒否していました。エボシは、売られた女性たちを身請けして人間としての尊厳と仕事を与え、当時隔離されていた病者(ハンセン病を患う人々)を手厚く看護する聖母のような一面を持つ一方で、森を切り拓き神々を躊躇なく銃撃する合理主義者でもあります。
宮崎監督が求めたのは、単に威厳のある声ではなく、「苛烈な運命を背負いながらも、静かに微笑んで男たちを従える知性」と「冷徹な言葉の裏に滲む人間的な温もり」でした。声優特有の誇張された演技ではなく、生々しい人間の体温を感じさせる芝居ができる役者として、田中裕子へ熱烈なアプローチが行われたのです。
アフレコ現場を振り返るスタジオジブリ関係者の証言によれば、田中裕子は過剰な感情表現を削ぎ落とし、抑制の効いた低音のトーンでセリフを発しました。その静かな凄みこそが、アシタカをも圧倒するエボシ御前の孤高のカリスマ性を完成させた要因といえます。