プロ直伝の煮しめの作り方|調味料の黄金比と染み込む科学で料亭の味
プロ直伝の煮しめの作り方|調味料の黄金比と染み込む科学で料亭の味を詳しくリサーチ! 知っておきたい 情報と解説を分かりやすく展開します。
煮しめの成否は、鍋に火をかける前の下ごしらえで8割が決まります。オレンジページやキッコーマンの公式レシピデータでも強調されている通り、具材ごとのアク抜きと下ゆでを怠ると、煮汁が濁り、えぐみが全体に回ってしまいます。
煮しめ具材の下ごしらえ|雑味を遮断するプロの工程
- ごぼう:皮の付近に強い旨味と香りがあるため、包丁で削りすぎずタワシで水洗いします。一口大の乱切りにした後、酢水(水3カップに対し酢大さじ1〜2)に約10分さらして変色を防ぎ、熱湯で1〜2分下ゆでしてザルに上げます。
- たけのこ(水煮):ひだの間にある白い結晶(チロシン)は旨味成分の一種ですが、仕上がりを濁らせる原因になるため竹串で優しく取り除きます。一口大の乱切りまたはくし形に切り、熱湯でサッと下ゆでして酸味を抜きます。
- れんこん:皮をむいて1cm幅の輪切りにし、酢水に5分さらしてアクを抜きます。
- 干し椎茸:ぬるま湯や電子レンジではなく、冷水に浸して冷蔵庫で半日〜1晩かけて低温戻しをします。じっくり戻すことでグアニル酸(旨味成分)が最大化します。軸を根元から切り落とし、亀甲(六角形)に整えるか十字の飾り包丁を入れます。
- こんにゃく:表面に細かく格子状の隠し包丁を入れてから、中央に切り込みを入れてくぐらせる「手綱こんにゃく」に成形します。塩もみ後に3分下ゆでして特有の臭みと余分な水分を完全に抜きます。
おめでたい席を彩る「飾り切りの基本手順」
クラシル等の調理実証でも定番とされる「ねじり梅」と「花れんこん」は、おせち煮しめの定番具材として欠かせない技術です。
【金時人参のねじり梅の手順】
1. 人参を約1cm幅の輪切りにします。
2. 梅型の抜き型で外形を抜きます。
3. 花弁のくぼみ部分(5箇所)から中心に向かって、包丁の刃先で深さ2〜3mmの切り込みを放射状に入れます。
4. 切り込みに向かって、隣の花弁の端から包丁を斜めに寝かせてそぎ落とすように削り、立体的なねじれの陰影を作ります。
5. 外周の角を軽く面取りして煮崩れを防ぎます。
【絹さやの色止めテクニック】
緑鮮やかな絹さやは、決して根菜と一緒に最初から煮込んではいけません。料理研究家の荻野恭子氏が提唱するように、絹さやは筋を取った後、塩少々を加えた熱湯で30秒ほどサッと茹でて冷水に取ります。煮上がった煮しめの鍋の火を止めた後、仕上げに数分浸すか、盛り付け時に添えることで、クロロフィルの退色(黄変)を完全に防ぐことができます。