電通・高橋まつりさん事件の真相と教訓|残業実態から働き方改革の現在まで

電通・高橋まつりさん事件の真相と教訓|残業実態から働き方改革の現在までの重要ポイントをご紹介します。役立つ情報が詰まっています。

事件後、会社側は当初「月50時間程度の残業」と説明していましたが、遺族側弁護団(川人博弁護士ら)の調査によって、タイムカード上の打刻と社館ゲートの入退館記録に致命的な乖離があることが判明しました。いわゆる「残業隠し(サービス残業の強要)」が組織的に行われていたのです。

三田労働基準監督署(三田労基署)が精査した入退館ログに基づく電通残業時間実態の検証により、本採用直後の2015年10月9日から11月7日までの時間外労働は、国の精神障害の労災認定基準(過労死ライン=月80時間)を大幅に超える約105時間に達していた事実が公認されました。

労災認定経緯としては、事件から約9カ月後の2016年9月下旬、三田労基署が「極度の長時間労働とハラスメントによる適応障害・うつ病の発症が原因である」として正式に労災を認定。これを受けて東京労働局過労死撲滅特別対策班(通称・かとく)が電通本社および地方支社へ強制捜査(家宅捜索)に入りました。

2016年12月、電通が労働基準法違反の容疑で書類送検されたことを受け、当時の代表取締役社長であった石井直氏が引責辞任を表明(電通元社長辞任)。2017年10月には東京簡易裁判所が電通に対し、労働基準法違反の罪で罰金50万円の有罪判決を言い渡しました。罰金額の低さに対する社会的な批判とともに、法律の上限規制そのものを見直すべきだという世論が一気に高まりました。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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