補助動詞とは?本動詞との違いやひらがな表記の理由をプロが徹底解説

補助動詞とは?本動詞との違いやひらがな表記の理由をプロが徹底解説についての疑問解決ガイドをお届けします。

日本語文法における補助動詞(ほじょどうし)は、学術的には「形式動詞」とも呼ばれ、主たる意味を担う動詞(本動詞)の直後に配置されることで、その動作の状態、方向性、授受関係、試行などのニュアンスを補足する言語装置です。

言語学者の橋本進吉が1935年に著した『新文典別記』において、「『雪が降ってゐる』としますと、雪が現に降りつつある意となります。即ちこの場合の『ゐる』は、動作の進行中なる意味を加へるもので、補助動詞であります」と説いた通り、補助動詞の最大の特徴は「本来持っていた語彙的意味が脱落(文法化・意味の希薄化)している点」にあります。

たとえば、以下の2つの文を比較するとその構造の違いは明白です。

  • 本動詞の例:「庭に犬がいる」(空間内に実体として存在する=本来の意味)
  • 補助動詞の例:「本を読んでいる」(「読む」という主動作が継続・進行している状態を表す=補助的機能)

本動詞としての「いる」は「存在する」という単独の動作・状態を示しますが、「読んでいる」の「いる」は犬が存在するわけでも人間が静止してそこに居るわけでもなく、「読む」という主動作の時間的展開を支える黒子として機能しています。この「語彙的意味の希薄化」こそが、補助動詞の本質です。

補助動詞と本動詞の決定的な見分け方

文章校正の現場や国語教育において、補助動詞と本動詞を判別するための確実なアプローチが「実質的動作の有無テスト」と「削除テスト」です。

第1に「その動詞が示す物理的・具体的なアクションが実際に行われているか」を確認します。「新しい靴を買ってみる」という文において、靴を目で「凝視(見る)」しているわけではなく、「試験的に実行する(試みる)」という意味に変容しています。したがって、この「みる」は補助動詞です。

第2に、直前の接続助詞「て」「で」を取り除き、単語を独立させて文が成立するかどうかを検証します。「友人に本を貸してやる」の「やる」は、本をどこかへ投げ遣るわけではないため補助動詞です。文節同士を切り離した際に文意が崩壊し、前の動詞に意味が完全に依存している場合、それは100%補助動詞と判断できます。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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