国芳『相馬の古内裏』巨大骸骨の真実!滝夜叉姫の怨念と構図の謎を暴く

今注目を集めている 国芳『相馬の古内裏』巨大骸骨の真実!滝夜叉姫の怨念と構図の謎を暴くについて、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

ネット上の情報や解説動画などで非常によく見られるのが、「『相馬の古内裏』に描かれているのはがしゃどくろである」という解説です。しかし、これは明確な後世の誤認であることが民俗学および美術史の調査で立証されています。

「がしゃどくろ」という名称は江戸時代の文献には一切登場しません。昭和40年代(1960年代後半〜1970年代)、作家の山内重昭氏や斎藤守弘氏、そして漫画家の水木しげる氏らが少年向け怪奇ムックや妖怪図鑑を執筆する過程で、「戦死者や野垂れ死にした人々の怨念が集まってできた巨大な骸骨妖怪」として創作・命名した近代の妖怪です。

そのビジュアルイメージを説明する際、あまりにも完成度が高かった歌川国芳の『相馬の古内裏』の巨大骸骨図版が流用されたため、「国芳の描いた骨=がしゃどくろ」というイメージが現代人の脳裏に定着してしまいました。国芳が描いたのはあくまで『善知安方忠義伝』における「滝夜叉姫が操る妖術の化身」であり、妖怪図鑑の「がしゃどくろ」とは成立年代も文脈も異なる点を知ることは、作品を深く味わうための必須教養です。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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