カルロ・グローチェの現在と疑惑の真相!世界的医学者が辿った失墜劇

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栄光の頂点にあった巨頭に決定的な亀裂が入ったきっかけは、学術論文の検証サイト「PubPeer」での匿名の指摘や、独立した研究者たちによる科学的データへの疑義提起でした。特にパデュー大学のデイヴィッド・サンダース教授や、画像不正鑑定の第一人者であるエリザベス・ビック博士らによる詳細な画像解析が、疑惑を白日の下に晒しました。

告発内容は極めて深刻なものでした。過去数十年間にわたり、異なる実験条件のウェスタンブロット(タンパク質検出画像)のバンドが複製・回転されて別の図として使い回されていたり、存在しないはずのシグナルが切り貼りされていたりする事例が、数十本規模の共著論文から相次いで見つかったのです。

事態を決定づけたのは、2017年の米ニューヨーク・タイムズ紙による大々的な調査報道でした。「Years of Ethics Charges, but Star Cancer Researcher Gets a Pass(長年の倫理違反告発にもかかわらず、スター科学者は不問に付されてきた)」と題された一面記事は、オハイオ州立大学が年間数百万ドルにのぼる巨額の研究助成金をもたらすグローチェ氏を守るため、長年にわたる内部告発や連邦機関からの警告を組織的に軽視・隠蔽してきた疑いを痛烈に糾弾しました。

この報道を機に「単なる噂」の域を超え、米国立衛生研究所(NIH)や米保健福祉省の研究公正局(ORI)、そして大学側も本格的な第三者調査委員会を設置せざるを得ない事態へと発展していったのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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