「いのちの電話は意味ない」の真相|繋がらない理由と酷評の背景

「いのちの電話は意味ない」の真相|繋がらない理由と酷評の背景に関する注目トピックを分かりやすく解説します。最新情報を求める方は必見です。

いのちの電話に対して多くの人が抱いている最大の誤解は、「精神科医や公認心理師などの医療プロフェッショナルが当直している」という思い込みです。現場で電話を取っているのは、所定の研修を修了した一般のボランティア市民です。

彼らが叩き込まれている心理技法は、来談者中心療法に基づく「傾聴」です。傾聴とは、相手の価値観を否定せず、感情をそのままオウム返しにして受け止める手法を指します。しかし、相談者がパニック状態に陥っていたり、「今すぐ借金をどうにかしたい」「明日食べるものがない」といった現実的危機に直面していたりする場合、ただ「そうなんですね、お辛いですね」と繰り返されるだけの対応は、相談者にとって「何も助けてくれない、無意味な時間」に映ってしまいます。

さらに、心理学でいう「心理的バウンダリー(境界線)」を相談員自身が適切に保持できないケースも散見されます。ボランティア自身の個人的な道徳観や人生観が強く出てしまうと、「命を粗末にしてはいけない」「もっと前を向いて」といった、無意識の道徳的マウントや説教へと脱線してしまうのです。善意で成り立っているシステムだからこそ、国家資格レベルの厳格なスーパービジョン(指導・監督)が行き届きにくく、対応の質に著しい個体差が生じてしまう構造的欠陥を抱えています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest