インフレとデフレはどっちがいい?生活と給料の真実を徹底比較【2026】

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生活者がデフレを美化してしまう背景には、人間の脳が「過去の緩やかな苦しみ」を忘れ「現在の鋭い痛み」に過敏に反応するという心理的バイアスがあります。しかし、歴史を冷静に振り返れば、デフレこそが日本を衰退させた元凶であることは疑いようのない事実です。

バブル崩壊後の日本を襲ったデフレスパイラルのメカニズムは、まさに自滅の構造でした。消費者が「モノの値段は明日になればもっと下がるかもしれない」と買い控えを行い、企業は売上を維持するために過酷な値下げ競争に突入しました。価格を下げるための原資となったのは、他ならぬ「人件費の削減」です。正規雇用の採用抑制、非正規雇用の拡大、定期昇給の凍結といったリストラ策が横行しました。

その結果、給与が削られた労働者はさらに財布の紐を固く締め、モノが売れなくなって企業は再度の値下げを余儀なくされる。この悪循環が30年間続いた結果、何が起きたでしょうか。世界各国が年平均2〜4%の成長と物価上昇を続け、賃金が2倍、3倍へと膨らむ中で、日本の平均賃金だけがほぼ横ばいで推移しました。先端技術への設備投資は滞り、世界を席巻した電機産業やIT分野で日本企業はことごとく敗退しました。かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛された経済大国が、国際的な購買力を失い、外国人観光客から「何もかもが信じられないほど安い国」と見なされるようになった根本的な原因は、デフレに安住した怠惰の代償だったのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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