大腰筋の起始停止・作用を完全攻略|国試と現場で差がつく解剖新常識

大腰筋の起始停止・作用を完全攻略|国試と現場で差がつく解剖新常識の要点を詳しく解説してご紹介します。

大腰筋(英語:psoas major muscle)は、胸腰椎移行部から骨盤内腔を斜め下方に貫き、大腿骨の内側後方へと抜ける長大かつ強力な紡錘状筋です。インナーマッスルに分類されながらも、その筋体体積および筋断面積は体幹屈筋群の中でトップクラスの規模を誇ります。

起始部は単一のポイントではなく、深層と浅層の2層に分かれて背骨をがっちりとホールドしています。浅層は第12胸椎(Th12)から第4・第5腰椎(L4〜L5)の椎体外側面および椎間円板から起こり、深層は全腰椎(L1〜L5)の肋骨突起(解剖学用語における横突起)から起始します。この2層の起始部の間には「腱弓」と呼ばれるアーチ構造が形成され、そこを腰動静脈や自律神経枝が通過する精緻な設計です。

起始部から下行した筋線維は、骨盤の内側で腸骨窩から広がる腸骨筋と合流し、共通腱を形成します。そして骨盤前縁の鼠径靭帯の下側にある外側の通路「筋裂孔」をくぐり抜けます。このとき大腰筋腱は恥骨の隆起(腸恥隆起)の上を滑走するように方向を後方へ変え、最終的に大腿骨の小転子へと巻き付くように停止します。

この「前側を通ってから後内側の小転子へ回り込む」という立体的なカーブ構造こそが、股関節の屈曲だけでなく回旋運動や姿勢保持に複雑なトルクを生み出す解剖学的根拠となっています。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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